手の届かないキミと



『杉浦、手伝ってきてやれよ』

『は?やだよ。俺なんかが行ってもバカにされるだけだろ』

見るからに頭悪そうとか、バカが移るから近づくなとか、この手のタイプは絶対にそう言う。


『お前には古畑がそんな風に見えるのか。』

ほーと納得するように、菊谷も窓の外に目線を移した。

『フルハタって?』

『あの子の名前。古畑亜希。』

『フルハタアキ?』

『そ。よく名前覚えておいたほうがいいかもなー』

そう言って菊谷は社会科準備室から出て行こうとする。


『俺が名前覚えておく必要性って?』

菊谷は振り返り、ドアのふちを背もたれにして俺を見た。