手の届かないキミと



菊谷をギロリと睨めば、別にそんなのなんとでもないという風に、ふっと鼻で笑ってくる。


『なんであの子ひとりに掃除させてるの?』

お下げ頭がデッキブラシで必死に緑のプールサイドをこすっているのを眺めながら尋ねる。


『さぁね。手伝ってくれる友達がいないんじゃない?』

『なにそれ。菊谷がひとりでやれって言ったんじゃなくて?』

『ひとりでやれって強要するほど、俺は鬼畜じゃない。』

『じゃあ…』

『だから、手伝ってくれる友達がいないの。』


俺はお下げ頭をじっと見つめた。

友達がいないって…でもたしかに、見た感じ真面目ちゃんって感じだもんな。

いるよな、バカとは慣れあわないとかいうプライド高いやつ。