手の届かないキミと



俺が意味がわからないという顔をすると、菊谷は俺に窓の外を見てみろというように、顎をしゃくった。

窓に近づき、階下を眺めてみると…

『なに、あれ。』

ノロでみどりになった汚いプールを、誰かが掃除している。

それも、小柄な女子生徒ひとりで、だ。


『なんだろねー』

そう言いながら窓辺に近づいてきた菊谷は、興味なさそうに一度ちらりと見てから、持っていたマグカップに口をつけた。


『新入部員とか?』

子どもみたいに少しわくわくしながら尋ねると、菊谷は『まさか』と俺の質問を一掃した。


『俺の忠実な雑用係ってとこ?』

『は?』