手の届かないキミと



ハルくん…

胸がぎゅうっとなる。


やがて、ハルくんたちは教室まで来た。

いつも通り、みんなのあいさつに手を挙げて応えて。


それから、こっちにやってくる。

きっと、西村くんの席にくるんだ。


そう思って私は机の上のノートに目を落とした。

でも…


「はよ。」

そんな、ハルくんの声が聞こえた。

私なんか、いてもいなくてもわからない存在で、

ハルくんの視界に入れてもらえることなんてないはずなのに…。