チャイムが鳴り、お昼休みになる。 わいわいと楽しそうな声がする教室で、私はひとり、お弁当を広げる。 こんなこと、今までと同じ。 4月からずっと、私はひとりでお昼を食べている。 ひとりで食べなかったお昼は、月曜日と火曜日のたった2日間だけなのに、 昨日といい、今日といい、こんなにもさびしくてつらいのはなぜだろう。 「だめだよ!」 「そうだよ、やめときな。」 「村山のためだからね。」 そんな声のするほうに目を向けると、なにやら村山くんが女の子たちに止められている。