手の届かないキミと




そろり、そろりと下がる足が、カタっとイスの足にぶつかった。

それでも私との距離を詰めてくるハルくんに、私はハルくんを見つめたまま、イスにトスっと追い詰められた。


見上げる形となったハルくんの顔は、とてもじゃないけど…怖い。

そこに感情はなく、整いすぎた顔が、綺麗すぎて…ただただ恐怖心を煽る。


「お前ってさ、」

恐ろしく冷たい声を発するハルくんに、身体は硬直する。

見下ろされた視線。

そこにハルくんの感情は見えない。

ただ、真っ直ぐで…