手の届かないキミと




「は、ハルくんっ…!」


それでも震えてしまう声は正直に私の心を反映している。

こんなハルくん、怖くないわけがない。

私なんかが声をかけていいなんて思ってないし、この状況で緊張しないはずもない。


ちらりと私をとらえるハルくん。

まるで鷹が獲物を狙ったときのような、その強い眼差しに思わず怯む。


頭のなかが真っ白だ。

ハルくんに声をかけたのはいいけれど…

この先に続く言葉が出ない。


私…どうしたいの…

ぐるぐる、言葉の破片が頭のなかで渦巻く。