手の届かないキミと



それでも私を見つめる視線に耐えられなくて、

今の状況を改善したくて、

ハルくんになんか言ってもらいたくて、


授業が終わり、休み時間になると、私はハルくんのほうに向き直った。


教室は話してる人はいるけれど、いつもみたいな騒がしさはない。

きっと、みんなハルくんに気を遣ってるんだ…。


ちょっとだけぴりっとした教室。

前はここにいても誰にも気にされない存在だと思ってた。

けど今は、違うって思える。

私を気にかけてくれて、あたたかく接してくれる。


私はぐっと拳を握りしめた。