手の届かないキミと



ホームルーム中、私が見つめる背中はずっと机に突っ伏していた。

ハルくん…


それからハルくんが私を視界に入れてくれることはなくなった。

西村くんも、私に話しかけてくれなくなった。


その代わりに、私のまわりには村山くんや黒岩さんをはじめとするクラスの子たちが集まるようになった。

今まで私のことを知らなかった分、いろいろ知りたいみたいだ。

私は、正直にうれしかった。

仲良くなりたいと思っていたこのクラスに、少しだけ溶け込めた気がする。

私の心は、いつも浮き足立っているみたいになった。


それでもなんだろう…

少しだけ、胸にもやもやするものがある。