手の届かないキミと



ちょっと前のことだ。

ハルくんの視界にさえ入れないって嘆いていたのは、誰だっけ。


…ハルくんとは生きてる世界が違う。

少しの間、忘れていたんだ。

ハルくんに私を見てもらえることは、当たり前のことじゃない。


私みたいな地味な子には、奇跡のようなものなんだ。

浮かれてた。忘れてた。


思わず、渇いた笑みがこぼれた。

浮かれやすくて、目の前のことでいっぱいで…

肝心なことを忘れてしまっていた。

こんな自分が嫌になった。