手の届かないキミと



そのときだった。

ガラガラと勢いよくドアを開く音がして、担任が教室に入ってきた。


「ほらー早く席につけー」

みんなはしぶしぶと行ったように各個人の席へと戻っていく。


私も自分の席に向かう途中、ちらりとハルくんの席のほうを見ると

ハルくんも私を見ていた。


一瞬だけ合った視線。

でもそれはすぐにハルくんによってそらされた。


ううん、そうじゃない。

ハルくんには私なんか見えてないみたいに、ハルくんの視線は私から離れていったんだ。