手の届かないキミと



やれやれといった感じの村山くんは、「わかったよ」と女子たちをなだめた。


「ちゃんと言うから。そんなにみんな一気にまくし立てないで。古畑が困っちゃってるよ」

そうは言うけど、村山くんは心なしか、にこやかだ。


「で、で、なに??」

「教えてよ~」


「うん。あのさ、僕は古畑のことが好き。」

躊躇なくそう言った村山くん。

教室からは女子の歓喜のような悲鳴が起こる。


「待って、待って、待って」

「いや~村山くん!」


「それってさ、二人は付き合ってるってこと?」