手の届かないキミと



手のひらをのぞいてみると、それはイチゴ味のキャンディ。


「それ、やるよ。」


「え…?」


「貰ったんだけど、俺あめとかなめないから。」


そう言うとハルくんはくるりと背中を向けた。


どうしよう、すっごくうれしい。

ハルくんから貰ってしまった。

あの学年一モテるハルくんから。


普通のキャンディなのに、ハルくんから貰ったってことだけで、このキャンディの価値は私の中でとっても大きなものになる。


お礼、言わなきゃ…!