手の届かないキミと



そのせいで、クラスのみんなの視線が私に向いていることにも気づいた。

身体にぐわっと緊張の熱が帯びる。


どうしよう…

ここから村山くんに挨拶を返したいけど、みんなが見てるし…

かといって村山くんを無視するわけにもいかないし…


小さな脳をフルスピードで回転させて、どうしたものかと考えているうちに

「古畑さん、おはよう!」

と、今度は女の子の声がした。


「ぇ…」

それは、村山くんたちと話をしていたのだろう、黒岩さんだ。