手の届かないキミと



「だ、大丈夫です。できますっ…!」

心拍数あがりすぎだよ。

私の身体全体が心臓になったみたいになる。


「はっ、なんで敬語」

ハルくんが小さく笑った。

心臓に、悪すぎる…。


「あ、あのっ…そのっ…」

もう私の頭のなかはパニック状態。

どうしよう、何か答えなきゃって思うのに、言葉が出てこない。


「ほらっ」

「わっ」

私とハルくんの間を、何かが弧を描いて飛んできた。

反射的ににハルくんが投げたものをキャッチする。