胸がぎゅうっと締め付けられて、私はスカートを両手で握りしめた。 ハルくん… 上手くいかなかったけど、私は… 今日この日をこれからずっと大切にしていくんだなと思った。 ハルくんとお話できた日。 絶対に接することのない、ハルくんの世界と私の世界がちょっとだけ、接した日。 スカートを握りしめていた手を放そうとしたとき、 「なあ、それひとりでやれんの?」 ハルくんがまた、私に声をかけてくれた。 驚いて顔をあげると、私の席と教室のドアとの間くらいに立ったハルくんが、私のことを見ていた。