手の届かないキミと



でも、真正面にそれをとらえてしまったら、つらすぎる。

それでも、耳から入ってくる声だけで、心がぎゅうっと握りつぶされるみたいになる。


「ハルぅーやったよぉー」

ハルくんに甘える篠田さんの嬉しそうな声。

それに対するハルくんの声はしないけど、きっとハルくんは…

篠田さんにその太陽みたいな笑顔を向けているにちがいない。


そう考えたら、胸がぎゅぎゅう~と縮んだように痛んだ。


「古畑、」

西村くんが私の名前を呼ぶ。



「肝試しだけどさ」

「ハルと一緒に肝試し楽しみぃ~」


………え?