手の届かないキミと



「なんで……」

仮にも篠田さんは、私たちと同じクラスじゃない。


篠田さんとは偶然に、海で会っただけだと思ってた。

…偶然、ほんとにたまたま篠田さんも海に来てた、なんてこと、そんなことあるわけないのだろうけど。


でも、そう信じてた。

なんで……


「なんで…か。」

「え…?」


西村くんを見ると、まっすぐな瞳で見つめられる。

その意思の強そうな瞳に、私はそらすことができない。


「お前の周り、よく見てみろよ。」

「まわり…?」


「近くにも敵がいること忘れんな。」