手の届かないキミと



「じゃあ試合始めようか」

対戦相手であるAチームのメンバーと話していた村山くんは、みんなにゲームスタートの声をかけた。


あれ…?

でもよく見ると、対戦相手のコートには4人しかいない。

私がいるコートのほうには、6人いるのに。


そう思ったときに、胸が張り裂けそうになる声がした。

この声って…


「はーるぅー早くぅー」


声のしたほうを見てみれば頭で浮かんだ通りの絵がそこにある。


「わかったから。いてーからそんな引っ張るなよ」

篠田さんに腕を引かれたハルくんが、私と反対側のコートに入った。