手の届かないキミと



コート内にはもうすでに何人か集まっていた。

私と村山くんは、Bチームのようだ。

コートの隅っこのほうでは、多田くんが何やらもじもじしながら、黒岩さんに話しかけている。


多田くんの顔は真っ赤だ。


「ペアの誘いだよ。」

「え…?」

ふいに私の真後ろでした声に振り返ると、そこには西村くんがいた。


「同じチーム」って笑った西村くんは、視線を多田くんたちのところへ移す。



「肝試しさ、男女のペア組んで回ることになったんだよ」


そうなんだ…

でも、ひとりで行くよりは全然心強い。