手の届かないキミと



「ほんと、しょうがないね。」

私の隣に座っていた村山くんは、やれやれというように立ち上がって、私に手を差し伸べた。


「え…?」

「ほら、行こう。僕たち同じチームなんだ。」

ニコっと爽やかに笑う村山くん。

私のこと、気遣ってくれたのかな…?

うまくクラスに馴染めない私が心細くないように、村山くんと同じチームにしてくれたのかな?


そんなこと、わからないけれど…

私は村山くんと同じチームなことがうれしくなって、彼の手を借り立ち上がると、「ありがとう」と言った。


「あーその顔、やばいよ。」

そんなことを言う村山くんに首をかしげて、私たちも浜辺に男子が描いたコートに向かった。