手の届かないキミと



はじめてだ…

こうして、男の人に抱き締められるの。


心音を聞いていると、なんだか心が落ち着いてきて、気持ちがいい。


「ハルくん…あったかい…」

思わずこぼれた私の心の声に、ハルくんがくすっと耳元で笑った。


「男のほうが筋肉ある分、体温高いから。」


魔法にでもかけられたみたいに、ふわふわとして、夢み心地になる。


でも、ハルくん…

こんなことされたら、勘違いしてしまう。

思い上がってしまう。

期待してしまう。


そして、あとで、傷つくんだ。

苦しくて、苦しくて、仕方なくなるんだ。


だってハルくんにとって私は…

遊びでしかないのだから。