手の届かないキミと



びっくりして、涙も止まる。

浮き輪がボリボリと、ハルくんの身体とこすれてビニール独特の音が出る。


「あ…」

言葉にならない私に、ハルくんは

「ちょっと休憩」

と言って、私を抱き締めた。


「っ…!」

目の前にほどよく筋肉のついたハルくんの綺麗な身体が現れたと思ったら、

いまはそれに抱き締められてる……?


カァーと顔が熱くなる。

私の顔は、ハルくんの胸にじかに触れていて、

どくんどくんという、ハルくんの力強い心音が聞こえる。


ハルくんの肌の感覚に、くらくらする。