手の届かないキミと



「菊谷にお前のこと手伝えって言われたんだけど、」


菊谷っていうのは、私たちの担任。

私をいいように使うあの人。


「俺、帰るから。いいだろ?」

一応は疑問形で聞いてくる彼だけど、返事はもう決まっている。

ハルくんは、このまま帰る。


「はっはい…!だ、大丈夫…です…。」


ハルくんと初めて話した。

緊張で、私の声は裏返るし、どもるし…。