手の届かないキミと



海水は、ちょっと冷たかった。

最初は震えて、とても入れないかと思ったけれど、慣れてしまえば平気。


ぷかりと、浮き輪に浮いてみた。

…気持ちいい。


空にはさんさんと輝く太陽があって、たまにふわりと吹く風が私の長めな前髪を揺らす。

瞳を閉じれば、遠くに村山くんたちの声が聞こえる。


海をバックにはしゃぐみんなは、きらきら輝いているみたい。

私だってみんなと同じ年なくせに、若いっていいなって。

女の子はみんなビキニでばっちり決めてて、…私は体型に自信がないからタンキニだ。


でも…こうしてはしゃげるのも今だけ。


来年の今頃は、受験生だし…こうしてみんなで遊ぶことなんてないよね。

それに、クラス替えだってあるし……