手の届かないキミと



少々呆れ顔のハルくんと、真剣な面持ちの篠田さん。


「ハルってさ、…彼女とか、いたりする…?」

………ハルくんの、彼女。

どくっと心臓がなって、緊張が走る。


「なんだよ、今更そんなこと…」

「いいから!答えて!」

篠田さんの剣幕に、ハルくんは戸惑った顔をする。


「ちゃんと、ハルの口から聞きたいの。」


私、一瞬でも期待した。

ハルくんが「彼女いる」って答えるって。



「…いないよ。俺、彼女なんていない。」