手の届かないキミと



きっと、彼らからは見えないのだろう。


私がいる休憩スペースと彼らがいるカウンターの間は、

少し離れているし、休憩スペースには人がたくさんいるし…

なにしろこんな家族連ればかりのところに、私がぽつんといるのが場違い。


「あのね、」

海の家までハルくんを連れてきた篠田さんは、ハルくんになにか話があるようだ。


聞きたくないと心では言いながらも、

脳から発せられる命令は、「聞け」の一点張りだ。


「だから、改まってなんだよ?」