手の届かないキミと



私は、海の家の休憩スペースに空いているスペースがあるのを見つけて、

そこで休ませてもらうことにした。


休憩スペースでは子ども連れの方が多く、

すやすやと無垢な子どもの寝顔を見ていると、心が洗われるようだった。


私は、いつからこんなにも欲張りになったのだろうか。

どうして次から次へと、展開がほしくなってしまうのだろう。


ハルくんの視界にすら入れないと嘆いていた数週間前の自分が、うそのようだ。


ハルくんとお話ができて、いっしょに帰ることだってできて、

今朝だって、思いがけずハルくんが迎えに来てくれた。

それから集合時間までのあいだ、いっしょにいれたじゃないか。


なのに…