手の届かないキミと



あのとき、自分で決めたはずだ。


ハルくんに遊ばれてもいい。

だから私は、自分で自分が傷つかない方法を見つけていかなきゃいけないって。



「…うん。考える。ありがとう、村山くん。」


私の返事を聞いた村山くんは、

「落ち着いたらおいで」って笑って、みんなの輪に混ざっていった。


村山くんが去って行ったあとで、私はタオルに顔をうずめた。

じわりと涙が出てくる。

苦しいのと、うれしいのと、辛いのと、…

いろんな感情が混ざって、涙になる。