手の届かないキミと




「すっごく、辛そうな顔してるよ」

辛そうな、顔…。

感情が表に出てしまってるんだって思って、顔を隠してしまいたくなった。

村山くんに、こんな顔見せちゃいけないよね…


「僕だったら、古畑にそんな顔させないよ」

村山くんの表情は、真剣そのものだった。


「だから、僕のこと考えてみてよ」

そう言って頭をなでてくれた村山くん。

その手のひらがやさしくて、涙がこぼれそうになった。