手の届かないキミと



あのとき、職員室で…

村山くんは見てくれてたんだ。


「…知ってたんだね。」


「うん。でも菊谷先生もさ、わざわざ古畑を呼び出して

あんな雑用押し付けることないのにね。

雑用係なら、僕みたいな学級委員に頼めばいいのに。」


擁護してくれる村山くんが、素直にうれしかった。


「ありがとう、村山くん。」

村山くんは「うん」と笑う。


「それより、返事聞かせてほしいんだけど…」

返事…

頭をよぎるのは…ハルくんの顔。