手の届かないキミと



「信じられないって顔してるね。」


そりゃあ、信じられないよ…

信じられるほうがおかしい。


「だって、どうして…?」

「どうして?」

「うん、だって、私…ただの地味な子だよ…?」

「地味だって何だって、古畑にはいいところいっぱいあるよ」


私のいいところ?

村山くんは私を見つめながら言う。


「僕は学級委員長で、いろいろクラスの仕事したりしてたから、知ってるよ。

古畑が、優しくて、とっても親切な子だって。


この前、職員室で菊谷先生にプリント綴じるの頼まれてたよね?

普通ならあんな仕事断るよ。

でも、古畑は引き受けてた。僕は知ってるよ。」