恋人は高校生組長

「も~、お子様膳でいいのにぃ~」



子供っぽいとは思うけど、私の味覚は幼稚園児レベルだ。

甘いものは大好きだけど、辛いもの、苦いものは苦手。




「お嬢、お子様膳は、小学生までです」

「分かってるけどさぁ~」






駄々をこねているうちに、料理が運ばれてきた。




炊き込みごはん。

お吸い物。

お刺身。

天ぷら。

それに、茶わん蒸し。




むむっ……

落ち着きのある色合いの陶器に盛りつけられた料理は、どれもおいしそうだ。

和食は苦手なはずの私でもそう思ってしまうのだから、すごい。



「いただきまーす」


私は、素直な気持ちで手を合わせた。