「俺はもちろんあの子を待つよ」



太陽が輝くような笑顔で愛斗が答える。



「あぁ……あの子ね」




”あの子”っていうのは、違うクラスの女子生徒。


愛斗がちょっかいをかけている相手だ。





「ったく、ほんと女好きだよなー」

「お、褒め言葉として受け取っとくよ」



じゃーなー、と手を振りながら、愛斗は見送ってくれた。



これから隣のクラスのホームルームが終わるまで、遊び仲間の女たちとつるむんだろう。



そうやって、愛斗は、いつも『あの子』を待っている。