孤独な自覚姫

「あれぇ~奈織ちゃん、慎クンと知り合いなのー!?」



「…あ、はい。ちょっとした知り合いです」


にっこりと笑いかければ、視線の片隅で慎哉が口に手を当てるのがわかった。



…笑ってんね、あれは。完璧。



花咲慎哉。


花咲財閥総帥の孫。


次期跡取りで将来は約束されている。


私と同い年で今年高1になるはず。



…そして私の素を知っている奴でもある。



昔からの幼馴染だしね。


……でも、笑いすぎ!!



「ちょっと、慎哉!!…さん。


こっち来て!!ください」