孤独な自覚姫

「うるせぇっ!!


紫穂はちゃんと大切にしてんだよ!!」


…もうほとんど素が出たわね。



そんな簡単に崩れるような仮面ならかぶらなければいいのに…。



「…きっと、紫穂さんには伝わってないと思います。


あなたが“女なんてみんな一緒”っていう発言をした時の紫穂さんの顔見ましたか?


私にはものすごく傷ついているように見えました。


心でどれだけ想っていても、それは言葉にしないと簡単に伝わるものではないんです。


今のあなたは、大切だと思っている方すらも守れない最低な人です。」



「…奈織ちゃんっ」



…あぁ、もうめんどくさい。



もうここまで来たら一緒ね。


覚悟をきめて口を開こうとした瞬間、



がちゃ、と黒いドアが開いた。