「そうか。


あんまり根を詰めすぎるなよ。」



…普通の喋り方の慎哉と話してると、昔に戻った気がする。




そんな夢みたいなことは無いと自分が一番分かっているでしょうに…、




自分への嘲笑を僅かに浮かべ、




「えぇ、わかってるわよ。」



私は踵を返した。




寝室へと続くドアを開けるときに気がついた。



ちっ…、と小さく舌打ちを残してドアを閉めた。







……いつの間にかキッチンから聞こえてた水の流れる音が止まってた。



私としたことが、気づかなかった…。