「…なぁ、奈織。

お前、高校に行く気はないか?」


あの人の言葉に正直頷きたくはなかった。



けれど。

もう後ろを向いてばかりもいられない。


きっと私は両親の財閥を継ぐことになる。


そのとき、海外の大学を卒業しているとは言え、中学も卒業していないとなれば面倒なことも起きかねない。


「………」


だからと言って、あの息苦しい学園には戻りたくなかった。


そんな私の考えを読んだようにあの人は言った。


「お嬢様学校がイヤなら、俺が経営してる学校に来るといい。」


それなら、と私は頷いた。