悲しい?
「なんでよ?」
「んなの、お前が奈良原の気持ちに答えてやんねーからだろー……がっ!」
がっ!のところでおでこにデコピンをくらった。
「痛ッ! 橘のデコピン痛いよ」
「アホ、痛くしてんだよ」
ぶー、と口を尖らせてメンチカツを一口。
やっぱり美味しいなぁ。
「つか。 奈良原モテんだからな?」
「あぁ、やっぱりモテるんだね」
「取引先の女社長に気に入られてるってのを聞いたけど」
えぇー、社長 !?
「すごっ、玉の輿じゃん!」
「逆、な」
女社長に気に入られてるんじゃわたしの出る出番ないじゃない。
わたしなんかそんな業績だってよくないし。
「……やっぱり一紗はわたしには勿体ない」
「んなことねーよ
だいたい、そんなの宮内の考えだろ?
俺や吉川は二人はお似合いだと思ってる」
「……うん、ありがと」
橘には前から仕事のフォローしてもらったり、仕事手伝ってもらったり
「橘には助けてもらってばっかりだね」
「そうか?」
「ありがとう」
「おう」
少しだけ照れ臭そうに笑った橘が、なんだかとても大人の男に見えた。
「でも一紗のことは別」
「はぁ?早く好きって言って結婚でもなんでもしとけ」
「そう言う橘だって独身貴族じゃん」
「……あのな。 男は別に結婚が遅くたっていいんだよ。 けど女は遅くなればなるほど子供大変になるだろ?」
……あーーーーー…………
妙に現実的。

