もう11時だけど、こんな時くらい食べちゃおう。
せっかく買ってきてくれたんだしね。
「てゆうか橘さんも物部さんもすごいいい人だった」
一紗が普通の顔で部屋のど真ん中でスウェットに着替え出す。
「うん」
「面白いし、格好いいし」
「……え」
格好いい?
そうかな?
「俺もタバコ吸ってみようかな~」
「似合わないよ」
「ははっ、橘さんにもそう言われた」
すっかりリラックスモードの一紗がわたしの隣に腰を下ろしたところで、箸をとる。
「でもタバコとコーヒーの匂いは大人の男って感じするじゃん」
「確かにそうかもね」
「紗弥さんはタバコ好き?」
「わたしは噎せちゃうから苦手」
「じゃあ俺もやめとく」
パク、とシュウマイを一口かじる。
「美味し?」
ウンウンと頷くと一紗は微笑んでシュウマイを一口で丸飲みした。