「ははっ、タコさん脚変」
四本脚のタコさんが摘ままれて口に消えていった。
「不味くない?」
「ん、おいし」
「…………よかった」
お世辞だったとしても嬉しい。
「朝ごはん、できたよ」
「うん」
裏が真っ黒の卵焼きや、切ってちぎっただけのサラダ、盛っただけの白米。
「ははっ、紗弥さん料理下手くそ」
笑いながらも、全部食べてくれた。
嬉しい。
すごく嬉しい。
ニヤける顔を抑えながら仕度をして、一紗に急かされて家を出た。
「へっくし」
「裸で寝るから風邪ひくんだよ、変態」
「ちがうし、風邪じゃないし……ふへっくし」
「あははっ、女子力高いくしゃみ」
「うるさいよ」
「おはよーございまーす」
後ろから背中を叩かれ、横からヒョコッと高橋くんが顔を覗かせた。
「あ、高橋くん、おはよう。なんか久しぶりだね」
「宮内さん、ヤケ飲みいつ行きます?」
あ、そんなことも言ってたっけ。
「あー、いつにしようか」
「なんなら今夜いきます?」
「今日は楽しみにしてるドラマあるからダメ」

