「お風呂上がりましたよっと」
「待ってたよー!」
ご主人の帰りを待ってた子犬のように飛びつこうとした一紗に思いっきりぶつかって、鼻が痛い。
「紗弥さん?……紗弥さーん?」
いやあ、今のは本当に犬みたいだった。
わたしには耳と尻尾が見えたよ。
…………こんな大きい犬、迷惑だわ。
「お手」
「わん!」
ふざけて手を差し出したら丸めた手を乗せてくれた。
「おかわり」
「わん!」
「よしよし」
フワフワした茶色の猫っ毛を撫でる。
って!
犬じゃないし。
「……あ、一紗、次お風呂」
「すぐ出てくるから寝ないで待っててね~」
タタタタ、というより無駄に大きいからダダダダ、かな?
お風呂に走っていった。
さて、と。
洗い物でも……
「 !!」
食器洗いをしようと思ってキッチンを覗いたわたしの目に写ったのはピカピカのキッチン。
…………ここまでやってくれちゃったのね。
よーし!
明日はお弁当と朝御飯、作るぞ~!
ジャスミンティーを入れてテレビをつけ、一紗がお風呂から出てくるのを待った。
「紗弥さーん、起きてるー?」
「起きてるよ」
お風呂から上がってきた一紗に返事をして立ち上がる。

