「紗弥は、どっちがいいと思う?沖縄だよね?」
このご時世、紅いもタルトは沖縄じゃなくても物産展で買えます……
てゆうか下手したら駅とかにも売ってたりするし……
「紗弥さんは夏休みにどこ行きたいの?」
麗にアイスを渡し、わたしの隣に座った一紗が口を開く。
「わたしは那須高原、て、違う違う」
「那須高原!いいセンスしてるねえ、紗弥さん」
「ちょ、だから一紗はアイス食べてて」
ちょこちょこ話に入り込んでくる一紗の口に、食べようとしてたアイスごとスプーンを突っ込んだ。
「間接キスですね、ありがとうございます」
「紗弥、那須高原行きたいの?」
「いや、わたしの話は別にいいから」
「…………」
「渉さん、なんて?」
「紅いもタルトはその辺で買えるだろって」
oh……言っちゃったのね……
「じゃあグアムつれてってもらえばいいじゃない」
「えっ」
「夏休みの時期は沖縄、よく台風が通るし」
「あぁ、」
「わたしなんて夏休みでかける予定全くないんだから、行けるだけで幸せだよ?しかも海外なんて」
「……そっか」
うん、そうだね、とか言いながら携帯をおもむろに取り出す麗。