「ごちそうさまー」


「胃袋つかまれちゃった系女子 紗弥さん」


いつも通り、一紗の作ったご飯を堪能してソファにグダッと倒れこむ。



「あ、紗弥さんアイス食べる?」


「食べる」


しばらくして、ハイと出されたバニラアイス。


「里田さんがきな粉かけると美味しいって言うからかけてみた」


「へぇー」


「あ、里田さんは俺の上司だからね?男の人だよ?」


「うん、別に聞いてない」


「ヤキモチ焼いちゃうかなーって」


「大丈夫」


言葉通り、バニラアイスにきな粉をかけて最後に黒蜜を垂らした。



「わお!美味しそう」


「ね、さぁ、どーぞ」


「いただきま……」


ピンポーン、



と、コントのようなタイミングのインターホン。


「…………こんな時間に誰だろう」


「もう一人の俺かも」


意味が分からないことをいいながら玄関に向かってくれた一紗を他所に、バニラアイスを一口。



うまっ「きゃーーーーっ」



…………今度はなんだ?



悲鳴の聞こえた玄関に向かう。


「ちょっと一紗、こんな時間に騒いだらご近所迷惑……」



玄関には、目を真ん丸にした麗がいた。