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「と、いうことがありました」
「えー、なにそれ」
月曜日、わたしは例のごとくクッションを抱き締めて麗に報告会をしていた。
「信じられないけど現実です」
「奈良原くん本気じゃん」
「えぇー?」
実はあのお見合いもどきの土曜はもちろん、日曜にもうちに来て腕を奮っていた。
そして当然のように泊まっていき、今朝の朝御飯とお弁当まで準備してくれた。
「美味しいもの食べ過ぎてわたしこのままじゃ豚だよ」
「豚になっても俺は紗弥さん好きだよ」
………… !?
ハァ !?
「こんにちは、紗弥さん」
ニッコリと笑いながらヒョコッと顔を出した一紗。
「吉川さんも、こんにちは」
「こんにちは、奈良原くん」
「なんの用でございますか」
少し睨みながら聞くけど、コイツはまったく気にしない様子でニコニコ笑う。
「領収書を提出しに来ました」
「どうも」
領収書を受け取り、なかを見る。
「宮内さーん」
うげっ。
「あ、高橋くんだ」
今日もニコニコ爽やかスマイルを振りまきながら、現れた。
「あれ?別れた元カレさんがこんなところに!営業部は上ですよ?」
「うるさいな」
「もう、喧嘩なら他いってくれない?」
シッシッと二人を追い払った。
「高橋くん、ぜーったい紗弥のこと好きだって」
「ナイナイ」
「奈良原くんで充分?」
「は?」