「俺は?」


「似合う、よ」


「それだけ?」


グイッと持ち上げられた顎。


私を見つめる綺麗な目。


「すごいかっこいいっ……」


恥ずかしくて恥ずかしくて、半ばやけくそ気味に言う。


「っとに、かわいいなぁ」


一紗の手から解放されようと、顎に力を入れるけど逆効果。


一紗が両手で私のほっぺを挟んだ。


「う、そっ…」


「本当だよ」


一紗の胸を両手で押す私の無力さを笑うかのように、一紗は甘い言葉を吐く。


「本当にかわいい………… 食べちゃいたいくらい」


ちゅ、と唇に重なるか重ならないかという少し外した口の端へのキス。


「食べちゃってもいい?」