受話器の奥からツーツーというむなしい音が聞こえてきて私は数秒固まる。


…切りやがった…


真さんのタイミングの悪さったらないね


結局言えなかったし。


キノはどうしてさらっと恥ずかしいこと言ってのけるの。


ため息をはきながら携帯をベッドの上に置く。


どうせ
明日あえるんだから

いいか。



キノはいつもの調子を取り戻しつつあった。

それだけ知れればいい。


明日会ったらたくさんたくさん甘やかしてやろう。


キノの頭なでてあげて

キノをいっぱい誉めてあげる。


これからはもっともっと

キノを大切に思うから



お母さんが一階からまた私を呼んでいる。


お腹すいたな


ご飯食べよ。



私は少し晴れた気持ちで

階段を降りていった。