少しの間でも、彼の腕のなかで『死ぬ』という意識がなくなったことを反省した。 わたしは彼の腕から自らはなれこういった。 「わたしはこの世から消えるの 邪魔、しないで」 こいつ… 声が震えている。 無理、してんだな… 「なんで死ななきゃいけねーの? こんなことまでして… お前がしななきゃいけねーって、だれかいったのかよ」 彼はわたしの傷ついた手首を見てそういった。