学校から結構近いバス停。
誠条高校前…妙に頭の良さそうな学校名の俺の高校の前から家までは6個の停留所を挟んでる。
乗り込むと、集中する視線。
なんでこんな公共の場に来てまで、目立たなきゃなんねぇんだよ。
ジロジロ見られるのは嫌いだし、見られたら睨み返してやりたい。
だから俺はいつも、一番後ろの席に座る。
わざわざ振り返って俺を見てくることはまずない。
見られるような容姿のつもりも、ねぇんだけど。
「あれー?今日は始業式のはずなのになぁ、なんでだろ。
誠条高校の制服の子いんじゃーん」
2つ目の停留所から乗ってきた、いかにもガラ悪そうな男3人組。
多分、隣の男子校…学校名は忘れた。
ドカッと遠慮なく俺の隣に座ってくる。
うぜぇ。小暮よりも、遥かに、うぜぇ。
「なーにしてんの。学校は?」
「…」
「無視はよくないよなぁ!」
「…るせぇ」
「あ?」
「うるせぇ、」
相手の顔色が変わるのが分かる。
「てめぇナメてんのか」
3人組のうちひとりが俺の胸ぐらを掴んでくる。
…テメーがナメてんだろうが。
「相手してやろうか」
「あぁ、上等だよ」
挑発に簡単に乗ってくるこの感じ、こいつらは、弱ぇな。
喧嘩を始める前から、なんとなく分かる。
こいつらを片付けるのは朝飯前だな。
バスが停まると立ち上がった3人組。
このちょっと先に、堤防があったし、そこにいくつもりか。
俺は指をポキポキ鳴らしながらバスを降りた。


