「あっ、そう言えば前澤くんに、花火大会のこと言った?」 「ううん、行った時に言う」 実は、8月に家の近くで大きな花火大会がある。 8月だし、前澤も予定がなければこれるんじゃないかと思って。 「何、前澤くるの?」 「まだ分かんないけど、来てくれたらいいなって」 佐野くんも嬉しそう。 私も考えるんだ。 花火が咲く中、二人でまた歩けたらどれだけ幸せだろうって。 また前澤の体が私の右肩に当たって、何も言わずに歩く。 まさに、二人で登校してた時みたいに。